アルギニンって何?

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アルギニンは人体を構成する20種類のアミノ酸のうちの一つで、子供の成長や大人の健康維持に非常に重要な役割を果たしています。

アルギニンは体内で合成する事ができ、クエン酸回路においてケトグルタル酸、グルタミン酸からアルギニンは作られます。

しかし、その合成能力は非常に弱く、特に子供においては合成する事ができないため、準必須アミノ酸に指定されています。

また、外傷を負ったり敗血症になって体にストレスがかかると、アルギニンの合成はさらに低下してしまいます。

つまり、アルギニンは不足傾向にあるため、積極的に食事から摂取すべき成分なのです。

アルギニンの作用と効果

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アルギニンには、人体をスムーズに機能させたり、若さと生命維持に重要な代謝活動を稼動させるのに重要なホルモンや物質を合成・分泌させるという大切な役割があります。

そのため、アルギニンをサプリメントや食事によって適切に摂取する事で、若さを保ちつつ健康的な生活を送る事が可能になります。

アルギニンの代表的な作用は以下の通りです。

  • NO(一酸化窒素)の生成
  • 成長ホルモンの分泌促進
  • ポリアミンの合成
  • 免疫細胞の活性化
  • アンモニアの無毒化
  • 肌の保湿

これら6つの作用を持つ事で、アルギニンは様々な健康効果や精力増強効果を示します。

それでは、それぞれの作用について詳しくみていきましょう。

NO(一酸化窒素)を生成する

アルギニンには、体内で一酸化窒素(以下NO)を合成する作用があり、特に血管や血流に大きな影響を与えます。

NOを体内で増産する事により、次のような効果が得られます。

  • 血流の改善・促進
  • 生活習慣病(特に動脈硬化)の予防
  • EDの改善
  • 体の老化防止

実際にウサギを用いた実験によって、アルギニンの投与により、NOが増加した事が認められています。

アルギニンは、NOの合成を介して、血管の健康と働きの維持に貢献する事で、

  • 勃起力の増強
  • 病気のリスク低減
  • 体の老化防止

に寄与するのです。

体内でのNOの働き

では、NOはなぜ血管の健康と働きに効果を示すのでしょうか。

NOは本来であれば、血管の内壁に存在する内皮細胞から分泌されます。

血管内皮細胞から分泌されたNOは血管のメンテナンス係として次の4つの働きを示します。

  • 血管を広げて血流を促進する
  • 高血圧を改善し、血圧を安定させる
  • 血管内の炎症やコブを除去し、血管を修復する
  • 血小板凝集による血栓の生成を防止する

つまりNOは、血管の傷や血流の障害を取り除く事で、血管の劣化を防止しつつ、高血圧を改善し血管を拡張する事で、血液の流れが悪くならないように見張り番をしているのです。

NOは勃起や健康の一番のキーポイントとなる血流の正常化になくてはならない成分なんですよ。

成長ホルモンの分泌を増やす

アルギニンには、「若さのマスターホルモン」という異名を持つ成長ホルモンの分泌を促進する作用もあります。

成長ホルモンは、脳下垂体から分泌され、子供の成長や生命維持、若さの維持になくてはならないホルモンです。

しかし、10代をピークに40代では分泌が約半分に低下し、80代にもなると分泌量は20分の1にまで低下してしまいます。

若々しさをいつまでも保つためには、成長ホルモンの分泌をいかに維持できるかがポイントとなり、アルギニンは成長ホルモンの分泌維持に重要な役割を果たしているのです。

アルギニンによる成長ホルモンの分泌促進で得られる効果は以下の通りとなります。

  • 骨粗鬆症の予防
  • 筋肉の増強
  • ダイエット効果
  • 生活習慣病の予防
  • 肌のアンチエイジング
  • 自然治癒力の増強
  • 病気にかかりにくくなる

効果をご覧になって分かる通り、アルギニンは成長ホルモンの分泌促進を通して、年齢を経ても美しく元気な生活を送る事に大きく貢献するのです。

成長ホルモンの働き

それでは、実際にアルギニンによって分泌が促進される成長ホルモンにはどのような働きがあるのでしょうか。

以下に示す通り、成長ホルモンは人体のあらゆる代謝活動を調整する事で、体のバランスを正常に保つという重大な役割を果たしているのです。

  • 骨代謝において骨の形成を促進する
  • タンパク質代謝においてタンパク質の合成を促進する
  • 脂質代謝において体脂肪の分解をサポートする
  • 脂質代謝においてコレステロールを減少させる
  • 糖質代謝においてバランスを整える
  • 水・電解質代謝においてバランスを整える
  • 免疫反応を増強させる
  • 食欲を抑制する
  • 肌の弾力とハリを維持する

特に筋肉を増強させる効果については、ボディービルダーに有効視されており、アルギニンは筋肉の栄養補助剤にも多く含有されています。

アルギニンの他にも、

  • オルニチン
  • チロシン
  • トリプトファン
  • グリシン

にも成長ホルモンの分泌を促進する作用があります。

参考サイト

成長ホルモンについて アウトバーン株式会社
http://www.autobahn-group.co.jp/

ポリアミンの合成を促進する

アルギニンは、細胞の生まれ変わりに重要な役割を果たしているポリアミンの合成を促進する作用も持っています。

ポリアミンは正常な細胞の分裂を行う上で必要不可欠な物質であり、ポリアミンの不足は細胞の老化を加速させます。

アルギニンはポリアミンの合成を促進する事で、以下の健康効果を人体に与えます。

  • 老化の防止
  • 生活習慣病(特に動脈硬化)の予防
  • シミ・シワ・くすみの改善
  • 精子の質と量の向上

つまりアルギニンは、ポリアミンの合成を促進する事で、細胞の健全化に貢献し、細胞レベルでの健康維持と美容、精力増強に効果を示すのです。

ポリアミンの働き

それでは、ポリアミンは体内でどのような働きを示しているのでしょうか。

細胞は分裂する事で古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わっています。

この細胞分裂が正常に行えなくなると、劣化した古い細胞が蓄積して体の老化が加速し、細胞で構成されている肌や血管、臓器、骨が正しく機能できなくなってしまいます。

ポリアミンは以下の通り、正常な細胞分裂に重要な役割を果たしており、細胞の生まれ変わりを活発に保つ働きをしています。

  • 細胞分裂の際に、遺伝子のコピーを作る
  • 細胞分裂に必要な酵素を活性化する
  • 遺伝子の情報を翻訳する
  • 活性酸素による血管の炎症を防止する

注目してほしいのは、ポリアミンの遺伝子への作用です。

遺伝子は細胞の設計図となっており、遺伝子に記されている情報を新しい細胞にそのまま正しく受け継ぐ事で、細胞は正常に機能する事ができます。

また、遺伝子の情報を翻訳する事で、体内に必要なタンパク質を合成する事ができるんですよ。

つまり、遺伝子のコピーを作り、遺伝子の情報を翻訳するポリアミンは、健康さしては生命維持の土台としての機能があるのです。

また、それだけではなく、細胞に酸素を栄養を運ぶ血管を活性酸素から守る働きを示す事で、ポリアミンは様々な病気のリスク因子となる動脈硬化を予防する作用もあるんですよ。

参考サイト

ポリアミンについて わかさ生活
http://www.wakasanohimitsu.jp/

免疫細胞を活性化させる

アルギニンには、免疫細胞であるマクロファージを活性化させる作用があります。

マクロファージは白血球の一種であり、体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃して排除します。

そのため、アルギニンを摂取する事で、感染症の予防効果を得る事ができます。

実際にアルギニンは、手術後の感染症の発症を防止し、術後の回復力を高める事を目的に、輸液や経腸栄養剤に配合されているんですよ。

アンモニアを無毒化する

アンモニアは細胞にとって毒性を示すため、運動や食べすぎによって発生したアンモニアは肝臓におけるオルニチン回路によって、アルギニンに変換され、最終的には尿素とオルニチンにまで分解されて無毒化されます。

実は、アルギニンには、このオルニチン回路を活性化させる働きがあります。

そのため、アルギニンの摂取によって

  • アンモニアを解毒し
  • 肝機能を正常に保ったり
  • 疲労を回復させる

効果が得られます。

実際に、ラットを用いた研究では、アルギニンの投与によって血中のアンモニア濃度が低下する事が報告されています。

肌を保湿する

アルギニンには、保湿成分として肌に潤いを与える作用があります。

肌の一番外側に位置しているのが、角質層ですが、角質層に水分を閉じ込め保水する役割を担っているのが、

  • 細胞間脂質
  • NMF(天然保湿成分)
  • 皮脂

です。

その割合は、細胞間脂質が約80%、NMFが約18%、皮脂が約2%となっています。

実はNMFの構成成分として40%を占めているのがアルギニンなどのアミノ酸なのです。

アルギニンを補う事で、角質の保水力を高め、美肌を維持する事ができるんですよ。

参考サイト

アルギニンについて わかさ生活
http://www.wakasanohimitsu.jp/

サプリメント大学
http://www.supkomi.com/

ニュートリー株式会社
http://www.nutri.co.jp/

アルギニンの摂取量と副作用

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アルギニンは体内での合成能力があまり良くないため、不足が懸念される栄養素の一つです。

アルギニンの効果を得るためには、1日あたり2000~4000mg以上の摂取が推奨されています。

これらの量を食事から全て摂取する事は困難であるため、上手にサプリメントなどを利用するとよいでしょう。

しかし、アルギニンには副作用も確認されているため、過剰摂取にも注意する必要があります。

胃腸の弱い方は注意が必要

アルギニンの副作用でまず注意が必要なのは、胃腸への負担です。

アルギニンは、20種類のアミノ酸の中で最もアルカリ度が高く、アルカリ性のアミノ酸となっています。

そのため、弱酸性である胃腸に負担をかける恐れがあり、胃腸が弱い方は特に機能低下に注意しなければなりません。

下痢やお腹が緩くなるといった副作用を呈するケースもあります。

アルギニンを摂取する際は、クエン酸などと一緒に食べるとアルカリが中和されるので、おすすめです。

アルギニンの過剰症

アルギニンは、過剰摂取による健康トラブルも考えられるため、注意が必要です。

特にアルギニンには、成長ホルモンの分泌を促す作用があるため、子供がたくさん摂取してしまうと、身長が異常に高くなってしまう巨人症関節肥大を引き起こしてしまうリスクがあります。

また、以下に示す持病を持っている方も注意が必要です。

  • アレルギー
  • 気管支炎
  • ぜんそく
  • 肝硬変
  • ヘルペス
  • 統合失調症

アルギニンの不足症

アルギニンは成長ホルモンの分泌や血管のメンテナンス役として働くNOの合成、細胞の新陳代謝に関与するポリアミンの合成に影響を与えるため、不足症にも注意が必要です。

アルギニンが不足すると以下の症状を呈する可能性が考えられます。

  • 男性不妊
  • 病気にかかりやすくなる
  • 傷の治りが悪くなる
  • 筋肉量が低下する
  • 老化の加速

つまり、精力の維持には、アルギニンは欠かす事のできない成分なのです。

アルギニンを多く含む食材

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アルギニンを過不足なく摂取するためには、まずアルギニンを豊富に含有する食品を積極的に摂取する事が必要です。

アルギニンを多く含む食材は以下の通りとなります。

  • 高野豆腐
  • 鶏肉
  • 大豆
  • 海老

特にアルギニンは大豆製品に豊富に含まれるため、日々の食卓に上手に大豆製品を取り入れましょう。

また、柑橘類や酢に豊富に含まれるクエン酸やカツオやマグロに豊富に含有されているビタミンB群と一緒に摂取する事で、アルギニンの効果を高める事ができますよ。

まとめ

アルギニンには勃起力を高め、EDを改善する効果があります。

それ以外にも、精力に関してはポリアミンの合成を促進する事で質のよい精子や精子の量を向上させる事に効果が期待できます。

成長ホルモンやNOなど、健康維持に重要な役割を果たしている物質の合成に関与しているため、高野豆腐などの大豆製品から積極的に摂取し、過不足のないように注意しましょう。